マネについて

三菱一号館美術館のマネ展、二回目行って来ました。
日本では西洋に比べてマネの認知度が低く、ちゃんとした展覧会も今まで行われていなかったらしいです(意外です。)。今回の展覧会でマネを好きになる人は増えたでしょうか。私はといえば更に好きになりましたが。

今月の芸術新潮の特集で「ふしぎなマネ」と題してマネについて三浦篤さんがインタビューに答えていますが、ところどころの三浦さんのマネ観に非常に共感します。

すなわち、マネは複雑だと言われていますが、本人はそれほど深い意図をもってしてやったわけではないのではないか、ということ。一枚の絵の中でも、おかしな構図を用いたり、平面的な部分と奥行きがある部分、筆触分割を使う部分、と一定していませんが、マネは、ナンセンスを好む画家だったのではないでしょうか。マネの作品を見ていると、絵画というものが現実のものではないことを前面に出した上での作品である気がします。複雑そうに見えるのは単に色んなことをやってみたかった、そして現実の模倣としての絵画ではなく、絵画自体が何かになるような作品を、創りたかったのではないでしょうか。